鴨神道に関する資料については、今日まで機会あるごとに本欄にても紹介してきましたがまた、纏めて少し述べることとします。
鴨神道は、「からすつたえのしんとう」とも呼ばれておりあるいは、「賀茂建角身尊の御教」(かもたけつぬみのみことのおしえ)と称して全国社領の人々に本宮の信仰を説くことからはじまったと考えられているところから烏伝神道(からすつたえのしんとう)と呼ばれています。他の神道説より大きな影響を受けている説や天地悠久の説であったり、一人の神道家の高尚きわまる思惟に基づく教理でもなく、氏人達が長年祭祀奉仕によって導きだした神祇信仰の理念を人々の日常の生活のなかにみいだし精神生活としたのではないかと思われます。それゆえ中世の説話を伝承してきたものを近世になって教本化したものが多数です。
烏伝神道資料
「秘伝書」として、「天御中主尊」から「神皇産霊尊」までを「天降
三神也」と説いている。
二、『筥傳授』(よたばのつたえ) 泉亭俊永聞書
「天御蔭」「日御蔭」を説き「其秘蹟」として御祖宮の御鎮座伝承を述べている。
三,「泉家玄櫛」(いずみけのげんぞく) 泉亭俊永五十一歳のとき伝承を留める。
「本宮」「御蔭宮」「霊璽社」について、「相承秘伝」として述べよう
としている。