―大阪・三島鴨神社と枚方・加茂建豆美命神社
7月20日より、みたらし祭です。足つけ神事とも呼ばれています。土用の丑の日が御手洗社の例祭です。本年は、20日が丑の日で、二の丑が8月1日ですが、一日はお祭の日ですから、御手洗社の祭の期間は、7月29日の日曜日までとなりました。お祭の日にお池から湧きあがる湧き水の泡をかたとったお団子を御供えします。それが、みたらし団子のはじまりです。
また、古い時代のお社は、唐崎社と合祀されていました。御祭神の瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)という御祓いの神さんであり、水の流れを司る神さんとして御神徳を仰がれている同じ御祭神であったからです。
お水は、生命をはぐくみ、生命の誕生を司る、みあれ、の神として、下鴨神社では古代から尊ばれてきました。ようやく、第三十四回の式年遷宮事業の一環として社殿などの造替や整備が整い、本年は、唐崎社紅葉橋遙拝所(からさきしゃもみじばしようはいしょ)の再興をみることが出来ました。紅葉橋の神事は、立秋の前の夜ですが、日取りの関係で今年のみたらし祭は、先におわりますがお参りの節にぜひ表参道の紅葉橋から瀬見の小川の下流を向いてご拝礼になってください。
ところで、六月に起きた大阪北部地方の大地震により分霊の二社が大きな被害をうけました。両社とも千年前に「摂津國三島庄」(せっのくにみしまのしょう)「摂津國走谷御厨」(せっのくにはしりたにのみくりや)として朝廷より御奉納になられた地域に分霊された神社です。
鴨川の下流、淀川の右岸に三島鴨神社境内に唐崎社がお祀りされています。淀川の左岸に加茂建豆美命神社境内に御手洗社がまつられています。現在の紅葉橋遙拝所は、元出町橋東詰め(現在・鴨川公園)に祀られていたお社を遙拝するところです。唐崎社は、この地から羅生門の唐崎、三島の唐崎と繋がり、祓つ物がやがて難波津へ、さらに大海原へと流れ下るさまをしめしています